AGP日本語通信 第19 号 (2013年7月号)
6月30日、バンガロールで初めての漢字検定試験が行なわれました。5級から10級まで、応募31人、受験25人、合格16人。なかなかいい成績でした。受験者は2人をのぞいてみんなインド人なのだから、これがすごい成績でなくて何でしょう。
漢字検定を行なって
シュリーヴィディヤ・A
それはただの名前「漢字検定」ですが、堂々としていたので、われわれBNKはそれを行なうことに決めました。私たちは若林先生が去年行なった模擬試験を参考にして活動し始めました。
漢検の準備を始めるのは簡単でしたが、進んでいくにしたがって行方がわからなくなって困りました。しかし、諦めないで上陸するまで泳いでいきました。
体と心が疲れていたその日、今までの疲れが消えてしまうほどのできごとがありました。-JLPTのN5さえまだ受けていない学生が一人、自分で漢字を勉強していました。ええ、何も特別なことはない、誰でもすることだと思ったら…、彼女は漢字を書き順を守って学んでいました。後ろからそっと近よって見ると…、いいなあ…、丁寧に漢字を書いて…、自習していました。それは私が今まで学習者に見たことのないことでした。日本語能力試験のために勉強する場合は、漢字の形を覚えて、音読みと訓読みを習うのがふつうです。でも、漢検のために漢字を書いて覚えるのはすばらしいな、と思いました。
疲れがふきとんでしまって、新しいエネルギーが出てきました! 興味がある受験者さえいれば、苦労は価値があるとわかりました。
合格者の声
バヌ・ラヴィシャンカール(8級合格)
今年の6月に漢字検定試験8級をうけました。とても新しい経験でした。もちろんJLPT試験でも漢字の知識が考査されています。と言っても、答えるのは選択を選ぶことだけです。しかし漢字検定では手で漢字を書きますから、漢字の訓読みと音読みだけではなく、書き順と字画も覚えなければなりません。それに、線の先はまっすぐか曲がっているかとようなことにも注意しないと。それで何回も練習する必要があります。わたしにとってはこれはとても重要なポイントです。なぜなら、何か文章を読むときには、たとえば「世」と「話」を一緒に見ると、これは「世話」“look after”ですねとすぐわかります。でも、「世話」の漢字を書こうとしたら、迷ってしまうことが多い。今回、漢字検定試験8級の各漢字について詳しく勉強したり、練習したりしたおかげで、自信をもって漢字を書くようになっています。それに、筆跡もちょっときれいになっています!! 試験に合格できることを希望しています。上級も挑戦してみたいです。
バヌさんは150点満点で149点を取りました。おしい! あと1点! でもこんな高得点、日本人でも取れませんよ。すばらしい。次こそ満点、かな?
サリタ・ラメシュ(9級合格)
はじめ、わたしも漢字をよむことはとてもむずかしいと思しました。ひとつの漢字にくんよみとおんよみがたくさんあります。ひとつの小さいたんごにに、3いじょう漢字がありますから、漢字の習うことはたいへんだとわかりました。そのうえ、たくさん練習して覚えた漢字を長いあいだ(for a long time) 覚えていることは無理だとおもいます。忘れないように、まいにち200以上漢字をおぼえることも無理です。どうなるかなと心配でした。
今年ジャッパンハッバで、漢字をどうおぼえるかというプログラムをみました。漢字について新しい大切なことを習いました。今からそこで習ったとおりに漢字を覚えてみようと考えたとき、わたしの先生は漢字検定についていいました。バンガロールではじめて行ないますから、わたしも受けようと思ったけど、どうやってしけんの準備ができるかわかりませんでした。いけだ先生に漢字の本をもらったおかげで助かりました。ハッバで習ったとおり、わたしは漢字を覚えることを始めました。
漢字のおぼえることは簡単になりました。たとえば、その前には「線」の漢字を覚えるのはとてもむずかしかったです。わたしはいつも10-20回書いてみても、2、3週間の後また書くときあまりじしんがありませんでした。でも今、「線」の漢字を覚えるとき、「線」の漢字の左側に「糸」(それははぶしゅもとわかって)、上に「白」の漢字があります。下に「水」と覚えたら、漢字を書くことはとてもかんたんになりました。1回しかれんしゅうしなくてもよくおぼえられます。しけんのための漢字のじゅんびがおもしろくなりました。
わたしはいっしょうけんめい漢字検定試験のためにじゅんびしました。試験に合格するかしないか、まだわかりません。試験の合格パーセントはたかいから(80%)、ちょっときんちょうしています。でも、はじめて、漢字をむずかしい、つまらないことと思わないで、とてもたのしく勉強しました。
BNKとSrividya先生に、漢字検定試験をおこなってこのきかいをいただいて、わたしはほんとうにこころから感謝いたしたいです。
アラティ・ゴパルクリシュナ(6級合格)
私が漢字を勉強し始めたとき、漢字の筆順やいろいろな読み方を覚えながら、勉強しなければならないと教えられたので、はじめの300~400漢字までは筆順も覚えて、書き方も練習したが、JLPTの勉強が続くにつれて、多くの漢字を勉強し、JLPTでは必要じゃないからといって、筆順や書き方を覚えないようになった。JLPTでは「漢字を読めればいい」、また、読解などの質問では、「漢字の意味が分かればそれでいい」というようなことを考えながら、漢字の書き方についてはぜんぜん気にしなかったのである。先生に漢字検定を挑戦してみるように言われたときはとても緊張したが、模擬試験で、それも8級だったので、覚えている漢字でいいかなと思って、やってみることにした。練習しなかったので、やっぱり落ちてしまった。でも合格に近くて、2点だけ足りなくて落ちていたので、また試験を受けてみたい気持ちになった。
今度は模擬試験ではなく本物の試験だったし、6級を受けることになっていたので、また合格できないかと思っていたが、先生が励してくださって、修士課程でも同じような試験をひとつやることに決めてくださったおかげで、授業で練習することができ、ちょっと自信がついた。でも、試験の前は準備が足りないと思っていたが、試験が思ったよりやさしかったので、よく答えることができてとてもうれしくなった。昨日先生のメールで合格しているということを聞いて、「やっと漢字を書けるようになったな」と思った。
スマ・アガラ(6級合格)
漢字検定のおかげで「漢字を書くのは難しい…」から、「漢字は面白い!」になった。13年前2年間ぐらい日本に住んでいた。実は日本人のように漢字を書きたかったので、日本語の勉強を始めた。最初に習った400字ぐらいまではとても熱心で毎日練習して楽しんでいたが、JLPT向けの勉強を始めてからは習わなければならない漢字の数が増えていき、漢字の勉強は辛くなって、JLPTの1級合格しても、よく漢字が書けなかった。
2年前若林先生がバンガロール大学に来たおかげで日本語の修士課程が始まり、私も入ることになった。修士課程に言語学、文学、日本の歴史や文化などを日本語で学んでいたので、毎日漢字を読んだり書いたりしていたが、自信はなかった。今年の6月に行われた漢字検定の6級を受けることになり、一つ一つの字の書き順、読みや意味を時間をかけて学ぶようになり、少し自信がついた。若林先生やレヌカ先生に励ましていただき、たいへんありがたく思う。
ショバナ・クリシュナムルティ(6級合格)
ジャパンハッバに際して、漢字が今年のテーマになり、それがきっかけに漢字についていろいろ先生に教えていただきました。そこで先生にN1合格した学生なのに漢字を正しくかけないので、日本人がする漢字検定をしたらどうかと勧められました。どきどきしながら、インドでの初めての漢字検定の6級に申し込みました。筆順や音訓も知っていると思っていましたが、まだまだわからないところがあることに気がついて、恥ずかしくなりました。毎年漢字検定を受けて、せめて準2級レベルの字まではっきり覚えられたら、日本語の学生として自慢します。
ショバナさんは200点満点で194点。8-10級は150点、2-7級は200点満点で、200点満点の中では最高得点でした。日本人顔負けです。
スシーラ・メノン(6級合格)
日本では漢字の試験があるということを聞いて、ずっと前からも受けたいと思っていたが、それは日本人のために日本でしか行われていないと聞いたのでそのことをだんだん忘れた。日本語能力試験3級、2級、1級と受かってきたが漢字が書ける自信は全然なかった。初級日本語を教え始めたが、黒板に漢字を書く前に一度辞書を調べなければならなかったことが恥ずかしかった。
そこで日本語修士コースにはいって、漢字についていろいろ勉強したので、漢字についての興味がますます深くなった。やっとバンガロールで漢字検定という漢字の試験が行われるようになった。6級を受ける準備を修士コースの学生みんなでし始めた。最初はとても難しかったが、たくさんの問題のある練習帳が手にはいったおかげで、練習することになれて、だんだん正しい筆順で漢字を書けるようになっただけでなく、いろんな新しい熟語を知ったので、語彙力も増えた。漢字検定を受けることによって日本語力が間違いなく向上するということは確かである。また、10級から1級まで各級に決められた数の漢字を目指して勉強するから、限りのない日本語の漢字(インド人にはそう感じる)を一段一段としてマスターすることができるということは漢字検定の大きな利点である。
<漢字能力検定試験実施>
バンガロールで初めての漢字検定試験が6月30日に行なわれ、結果が出ました。
日本人のための試験で、合格ラインも70%以上、8-10級は80%の得点と、非常に高い。外国人のための試験で、四者択一問題で、合格水準も60%未満の得点でいいJLPTとはモノがちがいます。インドの大学の試験は40%で合格だし。こんなレベルの高い試験にインド人がいどみ、けっこういい成績で合格している。感動的です。
合格水準が高いので、118点も取りながら、合格の120点に2点足りなくて不合格だった人が2人いました。ほとんど合格したも同然です。78.7%の得点。JLPT合格レベルをはるかに下に見ています。次はかならず合格だから、がんばってほしいと思います。
日本人の受験者は補習校生徒が2人で、2人とも合格。うち1人は4年生で6年生レベルの5級合格。すばらしい。次は4級? 中学1年レベル?
次回は2013年10月27日(日)または2014年2月2日(日)を予定しています。
バンガロール以外の町に住んでいる方々へひとつ情報を。
バンガロール
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チェンナイ
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ムンバイ
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デリー
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6月 最高-最低
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29.4 - 20.0
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37.3 - 27.4
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31.9 - 25.8
|
39.3 - 28.3
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10月 最高ー最低
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28.0 - 19.4
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31.8 - 24.2
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32.9 - 23.1
|
32.9 - 19.5
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2月 最高ー最低
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30.2 - 17.8
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30.5 - 21.1
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31.3 - 17.3
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24.2 - 10.1
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「常初夏」バンガロールへ、避暑をかねて漢検を受けてみてはいかがですか?
級
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対象漢字数
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試験時間
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満点
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合格ライン
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受験料
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10級(小学1年)
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80字
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40分
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150点
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80%
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Rs.850 /-
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9級(小学2年)
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240字
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40分
|
150点
|
80%
|
Rs.850 /-
|
8級(小学3年
|
440字
|
40分
|
150点
|
80%
|
Rs.850 /-
|
7級(小学4年)
|
640字
|
60分
|
200点
|
70%
|
Rs. 1500/-
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6級(小学5年)
|
825字
|
60分
|
200点
|
70%
|
Rs. 1500/-
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5級(小学6年)
|
1006字
|
60分
|
200点
|
70%
|
Rs. 1500/-
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4級(中学在学)
|
1322字
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60分
|
200点
|
70%
|
Rs.1800/-
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3級(中学卒業)
|
1607字
|
60分
|
200点
|
70%
|
Rs.1800/-
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準2級(高校在学)
|
1940字
|
60分
|
200点
|
70%
|
Rs.1800/-
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2級(高校卒業・大学)
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2136字
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60分
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200点
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80%
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Rs.3500/-
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この漢字検定を受ければ、あなたの漢字力を少しずつアップさせることができて、日本の漢字能力検定協会の合格証書がそれを証明してくれます。
漢字をこれだけ知っていれば、新聞の漢字がこれだけ読めます。
100字
|
40.2 %
|
200字
|
56.1 %
|
500字
|
79.4 %
|
1000字
|
93.9 %
|
1500字
|
98.4 %
|
2000字
|
99.6 %
|
5級(1000字)なら、かなり日本語が読めることがわかります。8級(440字)でも8割近く読めます。
100字、200字、300字と、少しずつ漢字の力をつけていきましょう。
級別の漢字リストは次からダウンロードできます。
MA Japanese Course. Centre for Global Languages, Bangalore University.
P.K. Block, Palace Road, Bangalore - 560009, India
班加羅爾
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