2012年12月1日土曜日

AGP 第13号


AGP日本語通信 13号 (201212月号)


<インド文化講座・3-2

マイソールのダサラ祭
スマ・アガラ


 1019日大学でインド中とても人気があるマイスールのダサラ祭りのお祝いについて発表させていただきました。マイスールでダサラお祝いは1610年に、ワデヤル王朝の王様であるラージャワデヤルによって始められりました。
 今のカルナタカ州にあるマイスールは15世紀まで南インドでいちばん大きな王国であったィジャヤナガラに属していました。ヴィジャヤナガラ王国が滅亡(めつぼう)した後マイスール中心になって、玉座(ぎょくざ)だけでなくお祭りなどの文化的な儀式(ぎしき)もマイスールに移りました。
 ワデヤル王朝の25番目の王様のスリカンタダッタワデヤルは1912年に建てられたアンババワーニ宮殿の一部分に住んでいます。インドは独立した後は、政治のことをしませんが、お祭りの儀式などに、前と同じように参加しています。ダサラが始まる10日間前に王様250キロの金銀と木でできている玉座を組み立ててもらいます。
 それから、ダサラの最初の日は午前11時ごろに王様はいろいろな儀式をして、この10日間形式的に30分ぐらい玉座に座ることになっています。
 また、ダサラのとき、アンババワーニ宮殿でひなまつりのような人形飾りをはじめ、レスリング競技会、有名な音楽家の演奏などがあり、午後7時から9時まで96000個の電球によってライトアップされます。それだけではなく、10日間もあちらこちらで映画祭、フラワーショー、インドの伝統的なダンス、カンナダ語の劇、テニス試合、農業セミナー、ヨーガワークショップなどが行われます。
 パレスで主な儀式は、ダサラの5日目は知識の神様であるサラスワティを拝み、8日目は力の神様であるドゥルガを拝み、9目は武器を拝みます。10日目一番大事な日で、「バン二」という木(学名:Prospis spicigera)を拝みに象の背中に乗せた750キロの金の「ハウダ」に乗って王様は宮殿から5キロぐらいのところにあるバン二マンタパへ行っていました。最近は王様の代わりに力の神様である「ドゥルガ」の象を金の「ハウダ」に乗せて、装飾された象、楽師のグルプ、踊りのパレードが、パレスからバン二マンタパまで行きます。このパレードのことを「ジャンブサワリ」といいます。「ジャンブサワリ」は午後2時ごろ宮殿を出て、6時ごろバンニマンタプ着きます。最後の儀式として王様はバン二木を拝みます。その後憲兵(けんぺい)旅団のアクロバットとトチライトパレドで終わります。

  
 いろいろな儀式で神様が喜んだら、しばらくの間の小雨が降るとヒンドゥ教徒信じています。今までマイスールダサラパレードが宮殿を出る時、いつも小雨が降っています。
 ヒンドゥ教で、ダサラお祭りのお祝いに「善」対「悪」の物語がいくつか関わっていて、今もインド中とても大事なお祭りとされていますが、マイスールのダサラ祭りは豪華(ごうか)な地域祭りとなっています。


世界でもっともしあわせな仕事
シャンタラ・J

 子どもは神さまからのおくりものです。そしてわたしにとっても、最高のおくりものです。
 子どもがまれる、わたしの人生は自分のしごとが中心でした。お金をかせぎ、それをつかってたのしむことだけでした。いま思うと、物質主義の毎日だったかもしれません。でも、そんな考えは、むすめを見たとたん、完全にかわってしまったのです。
 すぐにかわったのではありません。最初は、心の中でいろいろまよいました。しごとをとるべきか、どものせわをとるべきか。
 しかし、わたしのかわりができる人がだれかいるでしょうか。
 赤ちゃんのはじめてのねがえり、はじめてのすいつき、はじめてののび、わたしはそんな瞬間のがしたくありませんでした。それは、ひとりの母親にとって小さいながらもほんとうのしあわせな瞬間ではないだろうか。そう思って、わたしは主婦としての生活をおくる道をえらんだのでした。
 そんなわたしに、多くの友人や親戚は、「あなたは家で何をするの。あなたのキャリアはどうするの。マスターの学位は」とたずねました。それでも わたしは、「そだての」をえらんだのでした。
 たしかに その道はかんたんなものではありませんでした。まで自分でかせいだお金はつかいはたしました。そして1ルピーすら夫にたのんでもらわないといけなくなりました。まるでそれがわたしの権利であるかのように、夫からお金をもらう。それは私自身にとってたいへんなことでした。
 そのかわりわたしには時間が生まれました。むすめがまいにち自分で生きかたを学んでいるすがたを見るための時間が生まれたのです。
 そうして、わたしの人生にとってのほんとうのチャレンジが始まりました。「家事」というしごとです。それは容易なしごとではありませんでした。「家庭」というものもひとつの産業だったのです。家の中のいろいろなものは、スムーズに動くために、それぞれおかれるべき場所があるのです。料理、洗濯、子育て、そのどれもが、わたしにとってチャレンジでした。わたしはゆっくりですがそれらのやりかたを習得していくことができたのです。それは、わたしの中でひとつの美しい経験でした。
 子こどもの成長とともに、わたしももう一度子ども時代をおくりました。それは、何年もやったことがなかったことでした。公園へ行って自分で作ったものがたりをかたり、歌をうたってそれにあわせておどって、フルタイムで母親の日々をおくりました。
 子どもをそだてながら、どものする質問にこたえていくには、忍耐が必要です。「自分への挑戦」といっていいでしょう。とえば「ママ、どうして犬にはしっぽが あるの? どうして人間にはないの?」「どうして朝の空は青いの? どうして夜は暗いの? わたしはいらいらしながら、そんなおかしな質問にこたえました。でもそれはどもが成長する過程で生まれる好奇心によるものなのです。
 子育てとはいったいでしょう。それは世界でもっともすてきなしごとです。どもの心に文化を教えこむしごとなのです。どもの心の中に一度しっかりした基礎がきずかれてしまえば、どもたちが生きる人生はスムーズなものになるにちがい ありません。
 そうです。わたしは「家庭」という天国を作っているのです。自分のもつすべてをつかってわたしの家庭を天国のように作りあげているのです。
 わたしたちはむすめに Dishaという名前をつけました。それは direction、つまり「方向」という意味の名前です。きっとむすめは、わたしたちをしあわせの「方向」にみちびいてくれることでしょう。もちろん、その「方向」にはうきしずみがあるでしょう。でも、そんなうきしずみのある旅行のことを人生とよぶのです。
 神さま、わたしたちに「Disha」という「方向」をあたえてくださって、ありがとうございました。ありがとう、わたしたちのむすめ Disha

(これは今年のバンガロール弁論大会でスピーチされたものです。チェンナイやデリーの大会の出場資格がない人も、バンガロールではわけへだてなくスピーチできます。その「無資格スピーチ」のひとつです。こんなスピーチ、聞いてみたいと思いませんか? 門前払いして、葬(ほうむ)ってしまいたいですか? 少なくとも、私たちはそう考えません。)


弁論大会結果
 113日に行なわれたバンガロール弁論大会、1124日にチェンナイであった南インド弁論大会の結果は以下の通りです。なお、バンガロール大会のアトラクション、日本語早口ことば競争で優勝したのは11歳の女の子(アナニヤちゃん)でした。

バンガロール地区日本語弁論大会
 1位 ニティヤ・KSD「ソーシャルメディア」(BNK)
 2位 ディパンジャナ・デイ「え、まさか男性?」(BNK)
 3位 キラン・ムサレ「一瞬の結婚願望」(バンガロール大学)
 4位 イェシャシュリー・P「先延ばし」(バンガロール大学)
 5位 アンジャリ・ケスワニ「心の声」(バンガロール大学)
 特別賞 シッダールト・ロイ・チョウドゥリ「笑顔の連鎖」(JLS)

南インド日本語弁論大会
ジュニアの部  1位 ニティヤ・KSD「ソーシャルメディア」(BNK)
       2位 シッダールト・ロイ・チョウドゥリ「笑顔の連鎖」(JLS)
       3位 イェシャシュリー・P「先延ばし」(バンガロール大学)
シニアの部  1位 マニート・ギリ「奇跡の場所」(BNK)
       2位 ディパンジャナ・デイ「え、まさか男性?」(BNK)
       3位 キラン・ムサレ「一瞬の結婚願望」(バンガロール大学)


ジュニアの部で優勝したニティヤさん

 南インド大会入賞者6名は、112日(土)にデリーで行なわれる全インド大会の出場権を得ます。つまり、南インドからデリーに行ける6人の枠をバンガロール勢が独占しました。

どう書きますか
 インド人の名前を漢字で書いてあげたいのですが、どう書いたらいいでしょう。いい書き方があったらコメント欄で教えてください。その際、原則は、
1) いい意味の漢字で、男の名前には男らしい、女の名前には女らしい字を使いたい
2) なるべく音読み訓読みごちゃまぜにならないように、音なら音だけ、訓なら訓だけで書きたい
 スマは「須磨」で決まりですが、ほかは…?

女性
男性
Suma
スマ
Srinivas
スリニヴァス
Ananya
ニヤ
Sanjay
サンジャイ
Geetha
ギータ
Sanjeev
サンジーヴ
Prema
プレーマ
Harish
ハリシュ
Sunitha
スニタ
Suresh
スレシュ
Sujatha
スジャタ
Mahesh
マヘシュ
Sharmila
シャルミラ
Ganesh
ガネシュ
Sudha
スダ
Krishna
クリシュナ
Lakshmi
ラクシュミー
Shekhar
シェカル
Seetha
シータ
Manjunath
マンジュナート
Sangeetha
サンギータ
Prakash
プラカシュ
Kavitha
カヴィタ
Adithya
アディティヤ
Revathi
レヴァティ
Sachin
サチン
Nithya
ニティヤ
Abhishek
アビシェク
Radha
ラダ
Pranav
プラナヴ
Ramya
ラミヤ
Shashank
シャシャンク
Radhika
ラディカ
Girish
ギリシュ
Rashmi
ラシュミー
Shrikanth
シュリカント
Pallavi
パッラヴィ
Sharath
シャラット
Renuka
レヌカ
Rohan
ハン
Padma
パドマ
Murthy
ムルティ
Lalitha
ラリタ
Anand
アーナンド
Seema
シーマ
Vinay
ヴィナイ
Meera
ミーラ
Murali
ムラリ
Deepa
ディーパ
Manish
マニシュ
Shobha
ショバ
Prashanth
プラシャント
Savitha
サヴィタ
Praveen
プラヴィーン
Arathi
アラティ
Prasanna
プラサッナ
Sheela
シーラ
Sridhar
スリダル
Sandhya
サンディヤ
Ajay
アジャイ
Sahana
サハナ
Narayan
ナラヤン
Vidhya
ヴィディヤ
Madhav
Preethi
プリーティ
Deepak
ディーパク
Priya
プリヤ
Sathya
サティヤ
Latha
Harsha
ハルシャ

MA Japanese Course. Centre for Global Languages, Bangalore University.
P.K. Block, Palace Road, Bangalore - 560009, India

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